
「一生、食べものに困らないように」というおまじないと「大切なゲストに幸せのおすそわけを」というおもてなしの想いが込められたウエディングケーキは、披露パーティには欠かせない大切な存在。 「欧米ではカラフルなシュガーケーキが一般的ですが、日本では、純白の生クリームとイチゴで飾るシンプルなデザインが圧倒的な人気。そして、中身はイチゴのショートケーキ。シンプルだけど美味しさも見た目の美しさも際立つ、このスタンダードなケーキこそ、パティシエとしての腕が試されるんですよ」
そう語るのは、「パン パシフィック 横浜ベイホテル東急」でシェフパティシエとして活躍する黒木賢二郎さん。数々のコンクールで受賞経験も持つシェフによる、新たなウエディングケーキが写真右の作品。イチゴと生クリーム、丸いピンクの飴細工が飾られたポップで愛らしいケーキだ。

「パティシエとして豪華なデコレーションケーキを作ろうと思ったら、飴細工を大胆に飾ったり、珍しい食材を使っていくらでも華やかに仕上げることはできるんです。でも、ウエディングケーキは違う。ウエディングケーキはお招きしたすべてのゲストに受け入れられるものが大前提。奇をてらった作品でゲストを満足させるのではなく、素材の組み合わせ、食感、デザインのバランスを計算し尽し、最高に美味しく、美しいウエディングケーキを新郎新婦にプレゼントするのがプロとしての役割だと思っています」
素材を混ぜる、焼く、飾る…。そのいたってシンプルな工程のひとつひとつに心を込め、世界でひとつだけのウエディングケーキを創り上げる…。「すべては新郎新婦のために」というパティシエの優しくも熱い想いと熟練の技術が詰まったウエディングケーキは、大切な一日をより感動的に彩ってくれるはず。

「パン パシフィック 横浜ベイホテル東急」でのウエディングケーキは、すべてがオーダーメイド。打ち合わせでは、写真やデザイン画を参考にしながらデザインを決め、パティシエの手によって世界でひとつだけのウエディングケーキが完成していく。

基本的な食材は、牛乳、生クリーム、卵、粉、バターと、いたってシンプル。だからこそ、素材には最大限にこだわり、安心してお客さまに提供できるように国産のものを使用。イチゴは、酸味と甘みのバランスがよい“とちおとめ”をセレクト。

材料を混ぜるところからすべてはスタート。一見簡単そうに見える作業こそ、その後の仕上がりを左右する。焼きあがったスポンジにイチゴと生クリームをサンドし、最後は生クリームとイチゴでデコレーション。そのひとつひとつの工程に、熟練の技術が光る。

いくつもの工程を経て、完成に近づくケーキに新たな命をふきかけるのが仕上げのデコレーション。この作業こそがパティシエの花形。どんなに忙しくても、シェフ自らがパレットで生クリームをていねいに塗り、イチゴなどを飾り、最後の仕上げを施す。